コンビニやスーパーで買ったお弁当やお惣菜の「透明なフタ」。食べ終わったあと、そのままゴミ箱へ捨ててしまっていませんか?
実は、私たちが普段何気なく捨てているお弁当のフタの多くは、工作でおなじみの「プラ板(プラバン)」と同じプラスチック素材でできています。少しの工夫とアイデアを加えるだけで、捨てられるはずだったフタが、世界にひとつだけのオリジナルキーホルダーに大変身します!
この記事では、「放課後SDGs教室」でも子どもたちに大人気のお弁当のフタを使ったプラ板キーホルダーづくり(アップサイクル工作)について、使えるフタの見分け方や作り方、失敗しないコツ、そしてSDGsとのつながりをわかりやすくご紹介します。
「アップサイクル」って何だろう?(SDGsとのつながり)
本来なら捨てられてしまう不要なものに、デザインやアイデアといった新しい価値を加えて、「より魅力的な別の製品」に生まれ変わらせることを「アップサイクル(Upcycle)」と呼びます。
- リサイクル(再資源化):ペットボトルを一度溶かして、再び繊維やシートなどの「原料」に戻すこと
- アップサイクル(創造的再利用):お弁当のフタという素材の特徴をそのまま活かして、自分の手で「お気に入りのキーホルダーやアクセサリー」という宝物に生まれ変わらせること
この取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)の以下のゴールに深くつながっています。
- 目標12「つくる責任 つかう責任」:使い捨てプラスチックをごみとしてすぐ捨てるのではなく、資源として大切に活かす視点を育てます。
- 目標14「海の豊かさを守ろう」・目標15「陸の豊かさも守ろう」:街や海へ流出するプラスチックごみの問題に関心を持ち、身近な暮らしからごみを減らす第一歩になります。
どんなお弁当のフタが使えるの?「PS(6番)」を探そう
プラスチックにはたくさんの種類があり、トースターで温めてプラ板のように縮むのは「PS(ポリスチレン)」という素材です。工作を始める前に、フタの端にあるマークや特徴をチェックしてみましょう。
- マークで探す:リサイクルマーク(「プラ」のマーク)の近くや容器の裏側に、小さく「PS」または数字の「6」と書かれているものが最適です。
- 触って探す:透明度が高く、指ではじくと「パキッ」「パリッ」と硬い音がするフタが向いています(やわらかく伸びるフタや、白く濁った「PP(ポリプロピレン)」は温めてもきれいに縮みにくいため注意しましょう)。
- 形を選ぶ:模様や凹凸(でこぼこ)が少なく、平らな面が広いフタを選ぶと絵が描きやすくなります。
準備するもの・道具リスト
お家や学校にある身近な道具で簡単に挑戦できます。
- 透明なお弁当・お惣菜のフタ(PS素材):食器用洗剤できれいに洗い、しっかり乾かしたもの
- 油性カラーペン(マッキーなど):プラスチックにしっかり色が乗る油性タイプ
- ハサミ:フタの平らな部分を切り抜くために使います
- 1穴パンチ(穴あけパンチ):キーホルダーの金具を通す穴をあけます
- アルミホイル:トースターの中に敷きます
- オーブントースター:プラスチックを加熱して縮めます
- 割り箸(またはピンセット)・軍手:加熱後の熱いプラ板を取り出すために使います
- 分厚い本や図鑑(2冊):温かいうちに挟んで真っ直ぐ平らにします
- キーホルダー金具(ボールチェーンやストラップ):仕上げに取り付けます
お弁当のフタからキーホルダーを作る5つのステップ

ステップ1:フタをきれいに洗って、平らな部分を切り取る
まずはお弁当のフタについた油分や汚れを洗剤でしっかり洗い流し、水分を拭き取ります。乾いたら、フタのフチ(立体になっている部分)をハサミで切り落とし、真ん中の平らなシート状の部分を取り出します。
ステップ2:油性ペンで好きな絵や模様を描く
切り取った透明シートの上に、油性ペンで好きなイラストや文字を描きます。下絵を描いた紙を下に敷いてなぞると、初めてでもきれいに描くことができます。
★きれいに塗るコツ:複数の色を続けて塗るとペンの先で色が混ざってしまうことがあります。1色塗ったら少し乾かし、薄い色から濃い色の順番で塗ると鮮やかに仕上がります!
ステップ3:形を整えて、穴あけパンチで金具用の穴をあける
イラストの周りを好きな形にハサミで切り抜きます。このとき、角を少し丸くカットしておくと、縮んだあとに尖らず安全で手触りのよいキーホルダーになります。
切り抜いたら、上部に穴あけパンチで1つ穴をあけます。加熱すると穴も一緒に小さくなるため、端ギリギリではなく少し内側(端から5mmほど離れた場所)にしっかり穴をあけておくのがポイントです。
ステップ4:アルミホイルにのせて、トースターで温める
アルミホイルを一度くしゃくしゃに丸めてから広げ(プラ板がくっつくのを防ぎます)、その上に作品をのせてオーブントースターで加熱します。
※安全上の注意:トースターはとても熱くなります。必ず大人の人と一緒に作業し、軍手を使いましょう。
温まり始めると、プラスチックが「ぐにゃっ」と大きく丸まり、しばらくすると再びゆっくり平らに戻りながら約4分の1〜3分の1ほどの大きさに縮んで厚みが出ます。全体が平らになり、縮む動きが止まったらすぐに取り出します。
ステップ5:温かいうちに厚い本でプレスし、金具をつけたら完成!
割り箸やピンセットで取り出したら、プラスチックがまだ温かくやわらかいうちに素早く分厚い本や図鑑の間に挟み、上からギュッと押さえて平らにします。数秒経って冷めると、ツヤのある硬くて丈夫なプレートになります。最後に穴へボールチェーンなどの金具を通せば、オリジナルキーホルダーの完成です!
放課後SDGs教室での工夫・うまく作るためのヒント
市販の工作用プラ板と違い、お弁当のフタはもともと容器の形に成形されているため、「縦と横で縮む比率が少し違う」「フタの模様(溝)がある場所によって独特の風合いが出る」といった特徴があります。
放課後SDGs教室で取り組む子どもたちも、最初は「加熱したら丸まってくっついてしまった!」「思ったより細長く縮んだ!」と驚くことがありますが、そこからが本当の学びのスタートです。
- 「どのくらいの大きさで描けば、ちょうどいいサイズになるかな?」
- 「あらかじめ縦横の縮み方を計算してイラストを描いてみよう!」
- 「大学生のお兄さん・お姉さんの色塗りの工夫を真似してみよう!」
このように、うまくいかなかった原因を観察し、自分なりに工夫して次の作品づくりに活かすプロセスそのものが、ESD(持続可能な開発のための教育)で大切にしている「自ら考え、試行錯誤する力」につながっています。
まとめ:身近な「ごみ」を「宝物」に変える体験から始めよう
普段は食べてすぐに捨ててしまうお弁当のフタも、見方を変えれば楽しく遊べて学べる素敵な素材になります。自分で作ったお気に入りのキーホルダーをカバンにつけて持ち歩くことで、「プラスチックを大切に使うってどういうことだろう?」と家族や友だちと話すきっかけにもなります。
ぜひご家庭や学校、地域のワークショップで、「お弁当のフタからキーホルダーに変身!」のアップサイクル体験にチャレンジしてみてください!

