春の安心米づくり

目次

田植えの準備 草刈り

いよいよ田植えに向けて準備スタートだ

水を入れる前に耕す(たがやす)んだよね

そうだよ!
よく知っているね、でも、その前にすることがあるんだよ

何?

草刈り(くさかり)だよ。
安心米は土の栄養(えいよう)のために
クローバーをそだてているんだけど、
たけが長くなっているものもあるから
さきに短く草刈りするんだよ

人がたくさんいるね

愛媛大学の農学部のお兄さんお姉さんがやっているんだよ

いろんな草刈りのやり方があっておどろいたよ

クローバー緑肥とその他の雑草を耕耘する前に草刈りすることが必要で、その作業を大学生が実習として行います。一番手軽、かつ出動回数の多い「刈払機」と「刈払機」の何倍もの作業量が楽にできる「ハンマーナイフモア」。周囲ののあぜの斜面は「スパイダーモア」で。安全に作業するための服装や機械のロックの仕方は?疲れないためのベルトの長さは?あとの草の処理を考えてどこからどこに向いて草を刈るとよいか?刃のどの部分を使うとよいか?エンジンのかけ方のコツは?斜面でどこを狙って刈るか?細かな指導の数々を聞き、メモを取り、真剣に取り組む大学生たちの実習でした。

耕耘 クローバーの鋤込み

さあ耕すよ

すごい!クローバーが無くなった

土の中に混ざったんだよ、
鋤込み(すきこみ)というよ

土中に窒素固定をしてくれていた緑肥のシロクローバーが、トラクターですっかりすき込まれました。

殺菌消毒 芽出し

田植えの苗は買ってくるの?

買わずに種もみから育てるんだよ

どうやって育てるの?

田植えがしやすいように、育苗箱(いくびょうばこ)というトレイに
苗を育てておくんだよ

土に種をまくんだね

そう、
トレイにまく前に少しだけ芽を出させておくのがポイントだよ

まず種もみについている軸の部分を脱芒機にかけて取り除きます、これをしないと、播種機で蒔くときに均一に蒔くことができないのです。安心米は薬品を使わないので、種もみを温湯殺菌しています。温湯に長くつけると種が煮えてしまうので、短時間でむらなく一気に殺菌できるように、ネットの袋に小分けにし、60度のお湯に10分つけて殺菌します。

殺菌に必要な最低限の熱で済ませるため、出したら一気に冷水で冷却します。しっかりと冷えたら、今度は浸水し、催芽するように浸水させた状態で置きます。水の温度が夜間に温度が下がりすぎないように、保温もします。水のなかの酸素を使って発芽するので、新しい水をシャワー状に注ぎこんでいます。

一般的に水に浸してから積算温度100℃(毎日の平均気温を足して100℃になった時点)になると芽が出ると言われています。最適温度といわれる30度だと3日で芽が出る計算ですね。

苗の種まき 播種(はしゅ)

少しだけ芽が出たね
さて、トレイにまいて育てよう

播種機(はしゅき)という機械で種もみをまいていくよ

無事に発芽しているのを確認し、播種(はしゅ)します。上は自動播種機で播種している写真です。機械だと、トレイ(育苗箱)がセットされてから、薄く土を入れ、水で湿らせ、播種し、種もみの上に薄く覆土するところまでたったの1分。でも、機械がその能力を存分に発揮できるためには、その前の人の準備が不可欠です。種がうまく落ちるために、脱水機にかけて絶妙に水分を飛ばしておく必要がありますし、覆土が、均一にサラサラときれいに落ちるよう、覆土はふるいにかけて、細かくしておくことも必要なのです。

シルバーマルチで作ったトンネルハウスの中で、1週間ほどしっかり発芽するまで育てます。マルチがないと、種もみが鳥たちに食べられてしまうからです。

苗の成長

種をまいてから一週間たったよ

小さな芽がたくさん出ているね

シルバーマルチの中は暖かいし、
光はちゃんととおるから芽が出るんだよ

鳥に食べられてしまうから、5センチ
くらいになるまではマルチの中で育てるんだよ

1か月たつとこんなに大きくなったよ
12センチくらいあるね

慣行農法では、育苗トレイにあらかじめ養分が入った育苗マットを敷いたり、化学肥料を与えたりして苗の生育を促していますが、安心米は油かすを与えるだけです。化学肥料を使った方がもちろん生育が早くなりますが、油かすだけでも十分に稲は育ちます。

代かき

田んぼの準備もしないとね
水を入れて、たがやし、平らにする
代かき(代かき)をするよ

なんで平らにするの?

田植えをしたあと、水をぬいたり
足したりするんだけれど、平らになっていないと
それがうまくいかなくなるんだよ

土と水を撹拌しながら表面を平らにならしていくのは、トラクターという農業機械です。水を入れた後、水と一緒に撹拌し、さらに平らにならすという作業はかなりの労力を必要とするので、昔は牛などの力も借りていました。田んぼの水平をうまくとることは簡単ではありません。稲を育てる途中、水を引いたり入れたりして調整することが必要になるのですが、代かきがちゃんとできていないと、一部だけ水たまりができ、水が引ききれなかったりするそうです。水が引けないと生育が悪くなったり、そこにスクミリンゴガイが溜まって、スクミリンゴガイの被害が大きくなったりもするので、代かきはとても重要です。

田植え

田植えをするよ

苗のトレイから苗をとるんだね

田植え機で植えていくよ

水があまりないんだね

苗が小さいうちはスクミリンゴガイに
食べられてしまうから、なるべく
水がないようにしてスクミリンゴガイから守るんだ

田植え後は水の量を少なくしています、それはスクミリンゴガイが食べてしまうからです。スクミリンゴガイは土の中で越冬し、耕耘されたタイミングから活動をはじめ、水が入ると一気に活動を本格化します。水があるところを好み、水中では泳ぐように移動し、水の浮力を使って苗に上るのでするので、苗が小さいうちはなるべく水を少なくして対策しているのです。

除草機

小さいうちに雑草(ざっそう)をとるよ

手でぬくの?

除草機(じょそうき)をつかうんだ

苗がつぶれないの?

農場長さんの運転技術がすごいんだよ

田植え後2週間ごとに2~3回除草機をかけます。このタイミングで雑草の除去ができないと、無農薬栽培の安心米づくりでは、下の写真のように、稲の丈を上回るほどの雑草がたくさん生えてしまいます。

Ogura
Author: Ogura

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